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第三十回「平常心是道~二〇一九年 統国寺の標語」

 今年も年初めの法話は、昨年の大晦日に住職がなさった法話を再構成してお送りいたします。

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 昨年2018年は歴史的な変化があった年でしたね。

 何よりも風水が変わった。台風がいい例でしょう。これまででは考えられないルートで台風が来ますね。その中で大阪にも度々上陸し、天王寺公園の大木も何本も折れました(笑)。また政治も変わりましたね。あれだけ仲の悪かったアメリカと北朝鮮の間で首脳会談が行われるとはだれが予想していたでしょうか。そして経済。ちょっと前の話ですが、クリスマス前後に株価が落ちるということはあまりなかったですね。しかし、落ちた。

 

 新しい年2019年にも歴史的変化が続く卦がでています。

 2019年は、己亥年(きのとのいのししどし)です。比喩するなら黄金の(あるいは黄色い)豬というところでしょうか。昨年につづき、過渡期を表す土の気があるが、今年の土は大きな水を表す亥を濁らせる作用があります。様々な解釈が可能ですが、変化の度合いが激しいと解く。

そして、今年の性質を表す納音は、昨年に続き平地木(へいちぼく)、平野に木が立っている。木ははじまり、そして人の手が加えられた平地の木は整然かつまっすぐに育つ傾向、そしてそれらの変化が可視化される。

 

このように昨年に引き続き変化の流れが止まらないことが予想される2019年には、「変化の中でどのように生きるか」が大事です。これらを踏まえ、統国寺では今年の標語を「平常心是道(びょうじょうしんぜどう)」に定めました。要は、変化の中で今を一生懸命生きるということを普段からきちんとする。これが変化の中で幸せを見失わないための道なのです。

 

瑩山禅師(けいざんぜんじ)は「茶に逢ては茶を喫し、飯に逢ては飯を喫す」とおっしゃいましたが、その一瞬一瞬で最善を尽くす。

また良寛さんという偉い和尚さんも仰いました。「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候 死ぬる時節には死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候」

つまり、災難が来たらそれを受け入れ最善を尽くす。死ぬ時にはそれを受け入れ最善を尽くす。それが災難から逃れるコツですよ、というわけです。

 

どういうことか。

これを体現したのが樹木希林さんですね。波乱万丈の人生を生きた彼女です。結婚してそのほとんどを別居、こんな人あまりいませんね。しかし、彼女は言いました。

「私はなんで夫と別れないの?、とよく聞かれますが私にとってはありがたい存在です。ありがたいというのは漢字で書くと有難い、難が有ると書きます。人がなぜ生まれたかと言えばいろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか」

彼女の死因となったがん(癌)についてはこう言っています。「がんはありがたい病気。周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれますから。ひょっとしたらこの人は来年はいないかも知れないと思ったら、その人との時間は大事でしょう?そういう意味で、がんは面白いのよ。」

 

与えられた縁である今を、ありのままに受け入れ、最善を尽くす。

ありのまま受け入れるということは、曇りない目であるがまま見るということ。

そうすればどのような事象にも、良い点と悪い点があるのです。

死の原因となるがんでさえも、です。

一般的に災難と思われているものをあるがまま見て、その悪い面だけでなく良い面を認識できれば、それは災難ではなくなりますね。

 

2019年の変化には、災難と思われるものもあるでしょう。

災難に遭った時、いかに平常心(平気)で生き抜くか、が変化の中で幸せを見失わないための鍵です。

最後に樹木希林さんの名言を1つご紹介して終わりたいと思います。

 

「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」

 

それでは、みなさんまた来年お会いしましょう。合掌

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