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第三十六回「真実を見抜く力を持とう」

新年明けましておめでとうございます。
また昨年暮れに韓国で発⽣した航空機事故や、阪神淡路大震災・能登半島地震・米国LAの山火事などの災害で亡くなられた方々のご冥福を⼼よりお祈り申し上げます。
本年最初の法話も例年どおり、昨年の⼤晦⽇に住職が⾏った法話をアレンジしたものから始めたいと思います。

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新年が明けました。
2025年は乙巳年(きのとのみどし)となります。仏紀2569年、檀紀4358年です。
陰陽五行で言えば、青いへび、言わば青大将(アオダイショウ)ですね。

乙は陰の木、すなわち花や草を表します。花は横に広がり花畑などになる。よって、前年の甲がまっすぐ縦に伸びる変化の年ならば、乙は変化が横に広がるという卦があります。
今年の干支の巳は陰の火かつ勢いが一番強い火です。またヘビは脱皮する、再生するという卦を見て取れます。

そしてこの納⾳は、昨年から引き続き覆燈⽕(フクトウカ)です。この性質は灯篭のように覆い被された⽕、要するに中で燃え広がっている状態を表します。質的変化と量的変化が燃え広がっていく。また縦の線と横の線が交わると、その中心点―核―ができます。
これらを総合し暗⽰されるものは以下のとおりです。
 
「去年から始まった大きな質的変化が量的にも強い勢いで燃え広がり、激動の時代の核/種となる事件が起きる年」

例えば北東アジアの歴史を見ると、180年前の乙巳年(1845年)、アヘン戦争に勝利した英国が南京条約などを基づき、上海を租界(外国人居留地:実質的な植民地)とすることに成功しました。また米国では米下院議員ザドック・プラット(民主党:NY)が日本と・朝鮮との通商を促す建言書を議会に提出しています。この種は、欧米列強によるアジア支配に帰結します。

120年前の1905年も乙巳年でした。乙巳保護条約(第二次日韓協約)が結ばれた年です。英米仏の尖兵であり日露戦争に勝利した日本帝国が、力で朝鮮を保護国化することに成功しました。この種が5年後の日本帝国による朝鮮の植民地化、つまり韓国併合に帰結します。

その60年後の乙巳年、1965年には日韓基本条約が締結されました。米国が始めたベトナム戦争を支えるための枠組みができあがったのです。冷戦の最中にできたこの種は、60年後の今、米国を中心とした同盟関係として開花しています。

ちなみに古代にいくと、645年も乙巳年でしたね。古代史を好きな方ならすぐにぴんとくる乙巳の変、大化の改新が起きました。この種が672年の壬申の乱に帰結する。日本書紀を作った天皇につながる、新たな日本のはじまり、でした。
2025年にできた種は今後60〜120年を左右する大事となるでしょう。

このような大きな変化の年、統国寺の標語は「事実と真実はちがう、真実を見抜く力を持とう!」

例えば去年12月3日に韓国で起きた非常戒厳令という事実。
これを見る視点―真実―は立場によってちがうでしょう。
ここで大切なのは、どれを真実として見抜くかです。そして今回の非常戒厳事態で、私は米国から見た真実が重要だと思います。

ブレッド・シャーマンという米国の下院議員がいます。この人は3日には戒厳令宣布は間違っているとはっきりと言いました。また12日訪韓中には、こう言いました。
「北朝鮮の挑発がない時に偽装作戦で起こる戦争で兵力が死ぬことを米国は望まない。米国は米国だけの情報収集能力がある。もし韓国の軍隊が国内のある場所を攻撃して事件が発生したとしても、米国は北の攻撃ではないことを知っていただろうし、これを公開しただろう。」

その後明らかになっている事柄を総合すると、今回は非常戒厳令の大義名分づくりに北朝鮮の脅威を利用しようとしていた可能性が高くなっています。さもすれば戦争になっていたとしても、その過程で米国を巻き込んで米国の兵士が死んでいたとしても、ただ非常戒厳令の大義名分となればよかった、というきらいが現政権にはあった。
様々な解釈がありますが、私はこれが今回の非常戒厳事態において一番大切な真実だと思います。

このような大きな変化が予想される年をいかに過ごすか。
このために一つ助言をするならば「大谷君のように心を使おう!」です。

①いざという時は、本当に大切なものを1つだけ選ぼう。
あの賭博事件、大谷君は金も情も捨て、ただ野球だけを取った。変化に飲み込まれそうになった時は、揺れ動く事象の中で真実を見抜き、「1つ」だけを迷わず取る、これが緊急時に必要な智慧です。

②99度の水の心
一番嬉しいことは何ですか?と聞かれ、大谷君は「それは昨日できなかったことが今日できるようになったことです」と答えた。変化が来てどんなにしんどくなっても、真実(明日は必ず来る)を見つめ続ける、これが大切です。さすれば、いつか必ずいい時が来ます。

ではみなさん、また大晦日に会いましょう。合掌

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